活学社

 この度は、「活学求人情報誌」の創刊、誠におめでとうございます。
 蔡龍日社長と私との出会いは、1993年9月15日、第一回将来世代留学生フォーラムの開催の地、高野山においてでありました。フォーラム参加者の中でも、特に、周囲を率先してひっぱるリーダーシップや、実直で誠実なお人柄が強く印象に残りました。
 以来、第一期生として各地での将来世代留学生フォーラムに参加され、その後将来世代観点に立つ理念哲学を学び、自立プロジェクトの一環として企業経営について実践を通して活学ののち、2000年6月、株式会社世代継承活学社を起業されました。その志は、自らの留学体験を立脚点に、後につづく留学生のために、留学生のもつ二つの言語、二つの文化、二つの国家観を活かした世代継承的かつグローバルに二本足で立つ知的生産者としての活躍の場を拓くことをめざすという、いわば公共的使命をもつ企業家として自立されました。
   その誠実なお人柄と着実な仕事振りに、京セラ名誉会長・稲盛和夫氏の信任も厚く、京セラの中国での事業展開に協力され(優秀な中国人人材の紹介や稲盛氏の通訳、講演原稿の翻訳など)、さらに稲盛氏率いる3000余名のオーナー経営者の学びの場・盛和塾においても、日中の企業家交流の橋渡し役として、

日中双方の翻訳、出版、講演のサポート、優秀な中国人人材紹介などに携わられるなど、知的生産者としての留学生の使命のより高次化をめざしつづけておられます。
 創業以来、弛まない努力を通じて、すでに21世紀の「日中友好共働発展」に欠かせない「二つの言語を使いこなし、二つの文化を理解し、二つの価値観に柔軟に対応できる」3500人にも及ぶ「知日・親日」の知的生産者のネットワークを構築してこられました。また、これらの人材が今後益々広がりつつある日中ビジネスにおいても大いに活躍できるような「実践の場」の開拓にも積極的に取り組んでおられます。
 この度、創刊する「活学求人情報誌」は知的生産者としての留学生とグローバル展開を目指す日本企業との「志の縁の結びの場」の媒介役を担って、彼らが持つ知的留学の経験価値をさらに実りあるものにするに違いないと確信しております。
 最後になりますが、民族を超え、国境を超え、世代を超え、文化を超えて、より高次の自立した大人(たいじん)をめざす知的生産者である留学生諸兄にとって、「真の日中友好共働発展」になくてはならない存在となられるためにも、企業経営者として、稲盛氏に経営の真髄や経営者としての誠の実学を学ばれ、活学、実践されますよう、一層の期待を寄せております。

  蔡龍日社長との出会いは、日本人の「対アジア戦略人材の育成」他を狙って設立された「地域人才会議」と早稲田大学アジア太平洋センターが共催する講演会の会場が最初でした。私自身同センターの講師を務めたこともありますが、お会いする度に実直で誠実なお人柄と完璧な日本語、そして「日中友好の架け橋役になる」という強い信念に啓発されてまいりました。
  私は米国に5年、欧州に10.5年、中国に4.5年駐在し現地法人経営をしてまいりましたが、成功の鍵は如何に信頼できる現地人ネットワークを作り、現地化を果たせるかです。
  欧米に比し日本人は大きくこの面で遅れています。
  今後は中国に進出し現地化を進める日本企業への、又日本に進出し現地化を果たそうとする中国企業への双方向対応が重要になってきます。
  その大きな役割を担うのが8万人の中国人留学生と4万人の就学生です。

自分の体験から異国で生活するとその国がそして母国が良く見えるものです。
  21世紀はアジアの時代ですし、今こそ欧米偏重を改め、多様性を外部からばかり取り込むという経済の理念だけで考えることはやめるべきです。特に日中両国が世界に誇れる文化という大きな包容力を持ち、多様性でありながら夫々が交流して個性溢れる素晴らしい文化を持ち続けてきた先達の自信と自覚と友好を尊重しあうべきです。
  活学社の「知的人材ネットワーク」は、京都地区を始め日本全国で8000人を超えていると伺っております。「夢と志」でやってきた中国人留学生を「愛と信」で送り出し、迎え入れることこそ日中関係が冷え切っている今こそ必要です。
  蔡社長の燃えるような情熱と信念で、日中間で本格的な人材育成と交流という大輪の花が咲くことを期待いたしております。

  経済のグローバル化が急速に進み、我々の日常生活や企業の事業活動のあらゆる局面で外国との関わりを意識するようになっております。
特に、企業においては、貿易から技術交流、現地進出・合弁等の直接投資まで多様な関わりが生まれ、いったいどこまでが国内事業でどこからが外国事業なのか、その区別さえ不可能なほど国内外の関係が深まっており、 なかでも、著しい経済成長を遂げる中国をはじめとする東アジア諸国との相互依存関係は飛躍的に重要性を増しています。
  京都府では、このように新しい段階に入った経済国際化に対する取組について検討するため、平成17年度、「経済交流と貿易の振興プラン(アクションプラン)」検討会を設け、国内外の人材に関して見識の深い蔡社長に検討委員として御参加いただきました。
  蔡社長から、京都への留学経験を有する多くの方々とネットワークを結ぶことが重要である事、異文化を持った方々が活躍できる多様性に満ちた環境が京都産業の活性化に不可欠である事など貴重な御意見をいただき、昨年12月にプランとして完成したところです。

また、蔡社長には、2002年からスタートした「ケータイ国際フォーラム」を開催するに当たって、いつも多大な御協力をいただいており感謝しております。   なかでも、2004年に中国天津で展示会を開催した第4回では現地で様々な支援をいただきました。これらにとどまらず、蔡社長は、日頃から、熱い思いをもって京都と中国の経済交流に心を砕いておられ、その姿はとても印象的です。
  京都には、毎年多数の留学生が来訪していますが、まだまだ国際経済交流の視点でそれらの方々と十分に関係を構築できていないのが現状です。
国際間のネットワークは、何よりも信頼感と誠意に基づき、一人ひとり、地道に努力を重ね広げていくものだと思っております。
  今後とも、蔡社長には、御健康で、日本と中国の架け橋としてますます御活躍いただきますことを願っております。

  私の持っている蔡さんの名刺には、2004年3月17日の日付が記されています。この日は、京都府と共同で開催の「第3回ケータイ国際フォーラム」の初日で、中国の天津と北京からもVIPが入洛され、日中トップ会談の通訳をして頂いた蔡さんに始めてお目にかかった日でした。極めて真面目でかつ温厚な人だなあと感じたのが、今でも印象に残っています。その後、「世代継承活学社」の事業を伺い、なんと志が清く信念をもって活動されている方かと感動するとともに、その想いに共感しました。
  これが蔡さんと私の出会いですが、信頼のおける仕事ぶりは周囲の関係者からも高く評価され、同年11月に日本側から百数十人が参加し天津・北京で開催した第4回ケータイ国際フォーラムの一連の事業では日本団の公式通訳をお願いするとともに、準備でのたび重なる渡航にもお世話になり、実り多い成果を収めることが出来ました。
  これが縁となり、どちらから言い出すともなく、中国とのビジネスにおける真の要諦を学ぶ連続セミナーを、

蔡さんのコーディネートで京都商工会議所が主催することになりました。 時あたかも、抗日60周年で政冷経熱が報道を賑わしていた時期にセミナーの開始となったわけですが、蔡さんの的確な講師人選やテーマ立てで、5回のセミナーも盛況裡に終了しました。
  ところが、受講者からは「蔡さんにコーディネートをお願いし、現地の実践視察を」との要請があり、現地での事業展開を検討されている企業をメンバーに去る3月に蘇州、無錫、上海を巡る視察会を実施しました。極めて濃密なスケジュールでしたが、参加者からは「万巻の書に勝る視察の機会を得た」との声を頂いています。
  蔡さんには、これからも末永く日中両国のビジネスと友好における確固たる石橋として、我々をサポートして頂くことを願っています。誌面の関係で、蔡龍日さんが率いる「世代継承活学社」の哲学には敢て触れませんが、一度お会いになると、中国に対する自らの何かが変わると思います。

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