教育理念

理事長:矢崎 勝彦

 私は、1989年11月3日文化の日に京都において学識者の対話・共振・開新の場である「京都フォーラム」を創設し、また1992年にリオデジャネイロで開催された「地球サミット92−環境と開発に関する国連会議・UNCED」への参画の経験から米国で「将来世代国際財団」を設立致しました。1993年9月15日、夢と志を持って来日されている外国人留学生諸兄に、日本の文化と歴史に深く学ぶ機会と場を提供すべく、高野山での第1回将来世代留学生フォーラムを皮切りに以降 21回に渡って日本の歴史文化の所縁の地を訪ねて留学生諸兄と徹底的に対話・交流を重ねてまいりました。留学とは、留学生諸兄にとっては、主体的能動的な自立人生へと成長していく「第2の人生」であることを感じさせられました。
 この度は、ある一人の留学生の私的な留学体験価値をより高次化し、公共的な体験価値として、世代間で継承し、生々させていくべく、永続的発展的な「積善型好循環留学システムの構築と実践」の事業理念に共鳴し、日本語学校「活学書院」を設立することとなりました。
 私は、活学書院が、京都という1200年の歴史文化学府の中枢の地で、留学生諸兄にとっては、日本語の学びの場だけではなく、素晴らしい出会いの場、日本の文化・歴史に触れる場、そして本当の日本のよさを知り、客観的に日本のことを理解する「公共体験の場」となり、さらに、一人一人の夢と志を実現する第二の故郷になれることを心より期待しております。
 最後に、本校を起点に切磋琢磨し、将来、母国へ帰国後は、母国と日本との友好共働発展に貢献していただきたいと考えております。
 皆様のご入学を心よりお待ち申し上げております。

プロフィール:矢崎勝彦(やざき かつひこ)

1942年生まれ
1965年
株式会社ハイセンス(カタログ販売)設立。専務取締役就任。
1980年
代表取締役社長就任。
5年間で100万人の固定顧客数を目指す。毎月一回日本全国の県庁所在地を巡回する「カルチャーキャラバン」を展開し、四年十一ヶ月で100万人の目標を達成する。
1987年
代表取締役会長就任。
1989年
広島、芸州忠海少林窟道場にて参禅。居士号道然。
11月 京都大学名誉教授清水榮氏、禅師家井上希道氏と共に、京都フォーラムを創設。事務局長に就任
(現在メンバーは科学者、哲学者、教育者、産業人、宗教家、学識経験者など1800名)
12月 社名をフェリシモに変更。
1992年
ブラジル・リオデジャネイロでの地球サミット(環境と開発に関する国連会議UNCED)にUNCED公式新聞共同発行人として参加する。
UNCED公式日刊新聞「アースサミットタイムズ」の共同発行、
UNCED公式ブック「地球エシックス」の日本語版発行、アースサミット公式ポスターキャンペーン、公式ニューズレターの発刊などの支援活動をする。
1993年〜
世界27カ所にて「将来世代国際学識者フォーラム」を開始。
将来世代留学生フォーラム」を日本各地を巡回し、諸外国からの留学生とともに21回開催。
1998年〜
公共哲学共同研究会(現・公共哲学京都フォーラム)を開始。
公共世界をひらく公共哲学を討議。
90回(09年6月現在)にわたって開催。
(2001年11月上記研究会の内容の一部がシリーズ『公共哲学』第1期全10巻として東京大学出版会より出版。続いて「公共哲学の実践にむけて」を出版。
2004年 7月
『公共哲学』第2期全5巻、06年7月に第三期全5巻を出版。
2009年 6月
人民出版社から『公共哲学』第一期全10巻中国語翻訳版刊行。
著書
『フェリシモ幸福社会学』   1990年
『地球環境 誌上フォーラム』 1992年
『良知への道』        1994年
『超越への道<3部作>』    1995年
「一経営者としての公共哲学考」
『公共哲学10 21世紀公共哲学の地平』(2002年 東京大学出版会)所収

院長:金 泰昌

 私は若いときに留学体験し、留学してよかった、留学という体験があったからこそ、今日の私があると感じています。それは天からいただいたこの上なき幸せな瞬間でもあったと思います。
 留学とは、様々な拘束のある自国から脱出し、本当の意味での自由な大きい世界へと、若き志を無限に羽ばたかせるチャンスです。若いときは未完成ですから、その完成を目指して自分を高め、強め、深めるきっかけとして自分の周りや自分の中に無かったものと出会える素晴らしいチャンスです。
 留学生の皆さんには、言語を学ぶということの大事さ、すばらしさを実感してもらいます。ひとつの言語を学ぶということはひとつの世界を切り開くということです。自国と外国という二つの世界に生きるわけですから、その人の能力や人生の幅がより広くなるのです。また、身に付けた言語は多様な世界で自分を生かすための、道具にもなり、武器にもなり、徳性にもなり、人間力にもなります。
 留学生活の中では、気に合わないこと、不快を感じることが多くあるかもしれません。そんなときに強い志さえあれば、ネガティブなものをポジティブに変えて生きる勇気を持ち、自分を変え、よりよい方向に向かって発展し続けることができます。ですから、自分が抱いた志が成り立つまでは故郷へ帰らない、というくらいの志をもって留学生活を送り、逆境を乗り越え広い世界へ開かれることをこころより望みます。
 留学生のみなさんが明るい気持ちを持って生活し、日本に来たことを良かったと思えるように、職員一同、サポートして参ります。

プロフィール:金泰昌(KIM TAECHANG)

1934年
韓国生まれ
現職:公共哲学共働研究 所長
専門分野:公共哲学、政治社会哲学比較文明文化論、将来世代研究
韓国延世大学政治外交学科卒、同大学院政治学博士
1969-1970
駐韓米国経済協調所(United States Operation Mission/Korea)企画補佐官
1970 - 1990
国立忠北大学教授、同社会科学大学長、国際関係研究所長、統一問題研究所長、行政大学院長
1990- 1992
東京大学客員研究員
1992-1993
京都 国際日本文化研究センター客員研究員
1993 - 1994
北九州大学客員教授
1994-1995
九州女子大学教授、同文学部長
中国社会科学院客員教授、ベトナムホーチミン市社会科学院客員研究員、
タイ マヒドル大学アセアン公共保健大学院客員研究教授、香港大学都市計画
環境管理センター客員教授、米国ヒューストン大学大学院未来研究課程客員教授、
英国オックスフォード ブルックス大学客員教授、 カナダトロント大学OISE変化
行為研究センター客員研究員、日本 大阪国際大学国際問題研究所客員研究員
オーストラリア シドニー経営大学院客員教授
アルゼンチン、オーストリア、オーストラリア、ベルギー、ブラジル、ブルネイ、チリ、中国、ドミニカ共和国、エジプト、フィンランド、フランス、ドイツ、インドネシア、アイルランド、イスラエル、イタリア、ケニア、マレーシア、マルタ、ノルウエー、パキスタン、フィリピン、ポーランド、ロシア、シンガポール、南アフリカ、スペイン、スリランカ、スウエーデン、台湾、タイ、トルコ、英国、
ウクライナ、米国等講演
主著
「マルクスの史的唯物論批判」(韓国語版 1980)
「人間世界そして神」(韓国語版 1985)
「政治哲学的思考の軌跡とその周辺に集められた思考の断片」(韓国語版 1989)
「現代政治哲学:探索と展望」(韓国語版 1989)
『共福の思想』(日本語版 1992)
「二十一世紀への知性的対応」(韓国語版 1993)
『いまなぜ将来世代なのか?』(将来世代総合研究所 1994)
Thinking About Future Generations,  将来世代総合研究所: 1994
Creating A New History for Future Generations, 将来世代総合研究所: 1995 
Self and Future Generations, Cambridge: White Horse, 1999
The 13th Labor: Improving Science Education, Amsterdam : Gordon & Breach Publishers, 1999
Co-creating a Public Philosophy for Future Generations, London & New York: Adamantine, 1999
The Generative Society Caring for Future Generations:American Psychological Associations, 2004
シリーズ『公共哲学』(全20巻) 佐々木毅氏他との共編(東京大学出版会 2001-2006)
シリーズ『物語り論』(全三巻)共編(東京大学出版会 2007)
『公共哲学を語りあう』(東京大学出版会 2010)
『ともに公共哲学する』(東京大学出版会 2010)
シリーズ『公共する人間』全5巻 (東京大学出版会 2010-2011)
『おのずからとみずからのあわい』(東京大学出版会 2010)

専務理事:蔡 龍日

私は、1989年4月28日、多くの留学生と同じように、もう一人の自分を探したい、もっと自分自身を高めたい、日本の先進的な技術、経済、文化、そして日本人の考え方に学びたい、日中友好発展の架け橋になりたいなどなど、さまざまの夢を描きながら、憧れと期待をもって日本にまいりました。それから22年間(留学7年間、日本企業勤務4年間、創業11年)、人生で一番大切で、輝かしい時代を日本と共に歩んでまいりました。
 22年間の日本での留学生活を振り返ってみますと、今日に至るまでのすべての出来事はみんな出会いから始まり、そしてその出会いが新たのよき出会いを育んでくれた結果に尽きるのではないかと思われます。
 求めるところには必ずよき出会いある。よき出会いはその人のその後の人生さえ変えられる。
 1993年9月15日(敬老の日)、その日、その時、もし将来世代国際財団主催の「第一回将来世代留学生フォーラム」に参加しなかったら、私が尊敬する「人生の師」矢崎勝彦理事長との出会いも、尊敬する金泰昌院長との出会いもなかったし、そしてその後の盛和塾との出会い、さらに私の魂を揺さぶるほど深く感銘を与えてくださった世界著名な経営者、京セラ株式会社の創業者で現名誉会長の稲盛和夫氏の著書「成功への情熱」とご本人との出会いもなかったと思われます。
 2000年6月5日(世界環境の日)、矢崎理事長をはじめ、多くの有志のご支援ご協力を得て株式会社世代継承活学社を創業させて頂き、公器として第一歩をスタートさせて頂きました。創業以来11年間、事業を通じて約3500人の留学生たちとの就職面談を行い、幅広く、深く彼らと対話・交流を重ねてまいりました。夢と志を持つことの大切さ、問題意識を持つことの大切さ、そして日本で勉学、仕事していくために欠かせない「語学」の大切さなどを肌で感じさせられました。
 「活学書院」はそのような実体感から生まれた後輩の留学生たちの夢と志を実現していくための来日初舞台であります。「学びの場、出会いの場、異文化交流の場」としての外部環境は整っています。主人公の留学生の皆さんのご登場を心よりお待ちしております。

蔡 龍日氏(さい りゅうにち)

株式会社 世代継承活学社 代表取締役
日本語学校「活学書院」専務理事兼任 
1962年
中国黒龍江省生まれ。
中国で機械工学専攻。
1982年8月
黒龍江省チチハル第一重型機械集団設計所に入社。機械設計に携わった後、宝山製鉄所第二期プロジェクト連続鋳造設備の合作契約の実行に参加。同プロジェクト現場通訳を務める。
1989年4月
私費留学生として来日。
1990年4月
日本語学校を経て、大阪府立大学経済学部入学。
1996年3月
同大学院修士修了。日本企業へ就職、4年間実践経験を積む。
2000年6月5日
株式会社世代継承活学社を設立。
2010年9月
日本語学校「活学書院」専務理事に主任。
現在、優秀な中国人留学者のネットワークを構築しつつ、彼らの知的能力を活かすべく、翻訳・通訳業、日本語学校運営、中国語教室企画運営、日中企業経営者交流会企画運営、ホームページ制作(中国版)などの事業展開を行っている。
公職
大阪府立大学外国人留学生総会会長(1992年4月〜1993年3月)
1999年、関西在職中国人交流協会の理事
西日本新華僑華人連合会理事(2002年9月〜)
NPO中国留学生交流支援立志会理事(2004年〜)
商工会議所外国人観光客受入専門委員会委員(2010年〜)
京都商工会議所 中国ビジネス相談デスク アドバイザ(2010年〜)
主な社会活動
1999年から京セラ創業者稲盛和夫氏の専任通訳を勤める。中国での講演通訳や中国要人との会談の通訳に勤める。
2002年9月、日中国交正常化30周年の記念行事として、来日している10万人の中国人留学向けに日中友好への想いを募る「立志・立言」の論文コンテストを主。2003年出版。
2003年3月18日 朝日新聞掲載
2004年11月に、京都府主催の第4回ケータイー国際フォーラムにおいて、麻生副知事の公式通訳を勤める。
2005年 京都府経済交流と貿易の振興プラン委員に選ばれる。
2005年 京都商工会議所主催の中国ビジネス勉強会5回シリーズを企画する。
2006年1月10日 京都新聞に掲載(朝刊オピニオン解説)
2006年5月24日 京都府主催の留学生就職フェアで講演。
2006年10月 第6回ケータイー国際フォーラムにおいて、京都府山田知事の公式通訳を務める。
2006年10月 大阪商工会議所主催の東アジア中小企業交流会講演。
2006年12月 日外協「月間グローバル経営」誌に掲載。
2007年3月 近畿経済産業局主催の中小企業のための「グローバル展開と海外人材活用」フォーラムに パネラーとして招かれる。 
2007年2月 中国国務委員唐家氏と京セラ名誉会長稲盛和夫氏との会見での通訳を務める。
2007年9月 日中経ジャーナルに掲載。
2008年12月 大阪市立大学大学院でグローバル人材の採用について講演。
2008年12月 早稲田大学中国留学生就職セミナーで講演
2009年6月 アジア人材構想 グローバル人材活用セミナーで講演。
2009年8月 商工会議所第4回中国ビジネス勉強会で講演。
2010年8月 商工会議所中小企業経営相談センター主催中国ビジネス勉強会で講演マイベストプロ(京都新聞)
2011年7月 京都新聞の朋友に掲載。
2011年8月 財団法人 高度技術研究所主催の中小企業海外進出サポートセミナーに協力。